「体型に似合う服」と「体に合う服」の違いを知らないと、せっかくの体型診断を無駄にしてしまうかも・・・
こんにちは! パーソナルスタイリスト・公認心理師の久野梨沙(@RisaHisano)です。
パーソナルスタイリストとかイメージコンサルタントのサービスで、体型を診断して似合う服のタイプを導き出します・・・みたいなサービスって、結構いろいろあるんですよね。
うちでいうと「for*style体型診断」というのがそれにあたりますし、一般的には骨格診断とかも結構有名ですよね。
でも実は、そういう診断でわかる「体型に似合う服」と、「体に合う服」って、別物なんです。
例えば、少し前ですが、伊勢丹新宿店で新しく始まった、3Dで体を計測する技術を活用したサービス。
これはどちらかといえば、「体に合う服」を教えてもらえるサービスです。
しかし、「体型に似合う服」と、「体に合う服」の違いを知っておかないとこの伊勢丹新宿のサービスも、もちろんパーソナルスタイリストやイメコンの体型診断も、うまく活用できません。
そこでこのコラムでは、「体型に似合う」ということと「体に合う」ということの違いとそれらを活用するコツをお届けしていきたいと思います。
この内容は、以下のラジオでも解説しておりますので、音声で聞きたい方は以下からどうぞ!
10.「体に合う服」と「体型に似合う服」の違いがわかると服選びがもっと楽になる! – おしゃれの呪いを解くラジオ – Radiotalk(ラジオトーク)
女性は特に服選びにおいて「体型」って気になりますよね。小売店でも、個々人の違いに着目して洋服をお薦めするパーソナライズな手法は注目されていますので、今後もこういったサービスはあちこちで増えていくと思います。
さて、まずはじめにこういったサービスを使う時、パーソナルスタイリストに頼むのもいいし、小売店では無料で受けられるサービスもありますのでそれを選んでも良いと思うんですが、まず知っておいていただきたいのが「体型に似合う服」を選ぶことと「体に合う服」を選ぶことってのは別なんだよ、ということ。
「体型に似合う服」ってどんな服?
まず「体型に似合う」という概念から。
体型に似合う服を診断するためのサービス・・・・・・例えばうちの「for*style体型診断」や骨格診断でやっているのは、その人の体の形の特徴の分類・タイプ分けです。人の体の形をいくつかの分類に分け、その人がどれに当てはまるかっていうのを診断するっていうこと。
こういった診断を受ける目的は、自分の体の形の特徴を活かした洋服のデザイン・シルエット・素材を知ることです。
例えばうちの「for*style体型診断」で言うと、こんな風に4タイプに分類しています。
その人の体のシルエットをアルファベットになぞらえて 、X 型・ V 型・ I 型・ A型の4つに分けるんですね。
この4タイプのどれになるかは、体の主要な部位を計測し、そのバランスを計算することで診断していくんですが、例えば X 型でいうと、 X っていう文字の形のように、ウエストにくびれが強い体型のことを指します。
そういうタイプ・・・・・・肩と腰とヒップはパンと張っているんだけれども腰がくびれている人の場合、肩のサイズに合わせてたサイズで、腰に一切くびれのないストーンとした形のワンピースを着るとどうなるか。
想像できますか?
せっかくウエスト部分がくびれているのにそのくびれを一切見せず、張っている肩の幅のまま布が下へ落ちていくわけですから、全体的に体型が太く見えてしまうわけです。
逆に、ウエストのくびれがしっかり見えるようにベルトで絞ったり、元々ウエストがシェイプされたデザインのワンピースを着れば、肩とヒップが張っているほど、腰のくびれとのコントラストが目立つ。
すると、全体の印象がよりすっきりして、メリハリのあるスタイルだということがしっかり伝わりますよね。
着る服によって、体の形が変わるわけでは決してありません。しかし、自分の体の形に合わない服を着ると、見る人の目の錯覚や勘違いで体型が実際より悪く見えたり太く見えてしまったりすることがある、ということなんです。
それを防ぐのが「for*style体型診断」のような「体に似合う服を知るための診断」の目的です。
かつてファッション雑誌でしきりに特集されていた「体型カバー」というようなテクニックはこの「体に似合う服」選びを応用したもの(最近は「カバー」という考え方より「自分のそのままを活かす」という考え方の方が受け入れられやすいので、「体型カバー」という特集はだいぶ少なくなりましたが・・・・・・)。
つまり体型診断は、着やせや着太り防止が主な目的になっていくわけです。
「体に合う服」ってどんな服?
しかし、体型カバーとか着やせ・着太りを考える以前に、「そもそもあなたは本当に自分の体に合ったサイズを選べていますか」っていう問題があるんですね。
自分の体に合ったサイズを選ぶこと。これが「体に合う服」ということです。
「体型に似合う」というのは自分の体のシルエットを綺麗に見せる、体型カバー的要素がある服選びのこと。それには洋服のデザインとか素材が関係してきます。
しかし「体型に合う」服というのは、買った服のサイズが自分に合っているかというところが主な問題になってくるわけですね。
じゃあその「体に合う」、つまり自分の体にその服のサイズが合っているかどうかということってどういうことでしょうか。
それは単に履ける・履けない、着られる・着られないの問題ではなく、各部位の寸法がちゃんと自分の体に合っている、ということです。
パンツを例にとってみます。例えば、ウエストとヒップが一応入って、履けたとしましょう。
しかし、たとえ履けていたとしても、ウエストはぴったりなんだけどヒップはブカブカになっちゃうことが多いって人、いるんじゃないでしょうか。これが、確かに履けているけど、サイズは合っていない状態です。
ウエストサイズとヒップのサイズの関係性って、実はブランド・ショップによって結構違います。
ウエストサイズが60cm のものでも、ヒップの寸法が95cmに設定されているものもあれば80cmに設定されているものもあり得るわけなんですね。
となると、ウエスト60cm・ヒップ80cmの人は、どちらのブランドも履けることは履ける。
けれど、より自分の体に合ったサイズが展開しているのはそのウエスト60cm・ヒップ80cmのブランドなわけで、ヒップ90cmのブランドではありません。
こんな風に同じ表記・・・・・・、Mサイズや9号と書いてあっても、各部位の寸法はブランドによって結構違います。
さらに、同じMサイズでもそもそもウエストがみんな60cmかっていうとそうでもないわけです。
そして、いくら体型診断を受けて「X型だから、ウエストがくびれたワンピースを着ればキレイに見える!」とわかったところで、そもそも肩とウエストとヒップの寸法のそれぞれすべてが自分の寸法にちゃんと合ってなかったら、意味がありません。全然綺麗に見えない。
順序でいえば、「体に合う服」の後に「体型に似合う服」
体型診断の結果を活かした洋服選びというのは、まず自分の体に合った寸法の服が選べることが前提。
その上で、「ウエストをベルトでマークするとより綺麗に見えますよ」とか「裾広がりのシルエットを作るようなコーディネートにするとより綺麗に見えますよ」ということなんです。
ですから、「あなたはそもそも自分の体に合ったサイズを売っているブランドを知っていますか?」ということが非常に重要でここからアドバイスしていかなければいけないんですけれど、ここを飛ばしてしまうサロンや診断者は残念ながらとても多いです。
例えば良くTwitterなんかで「骨格タイプ○○に合う服を売っているブランドはここ!」みたいなまとめもよく見かけますが、そこで選んでも、そのタイプの人の体の各部位の寸法に合うサイズ展開になっていなければ、全然似合わない、という結果になってしまいます。
なぜ、「体に合う服」のアドバイスは得にくいのか
ではなぜ、骨格診断などのサロンで「体に合う服」のアドバイスが得にくいんでしょうか?
それは、体に合うブランドをアドバイスするためには「パターン」と呼ばれる服の型紙の知識や、服の縫製に関する知識が必要になるから。
こういった知識は、服飾専門学校では教われますが、イメージコンサルタントやパーソナルスタイリストを養成する一般のスクールで教えているところはほとんどありません(ちなみに私が運営しているfor*styleパーソナルスタイリストスクールでは教えているので、カリキュラムがどうしても長くなります・・・)。
そして、体に似合う服の診断を受けにいらっしゃる人のほとんどが、自分の体に合わないサイズの服を着ているのも事実。
ですから、まず「体に似合う服」だけでなく「体に合う服」についても一緒にアドバイスしてくれるかっていうことを意識してサロン選び・診断選びしてくださいね。
ちなみに冒頭ご紹介した伊勢丹の新サービスは、伊勢丹内のどのブランドであれば自分の体に合うのかという情報を得るには最適だと思いますよ!
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