上質な洋服をメルカリで購入…湧きあがる侘しさから解放される方法とは?

こんにちは! パーソナルスタイリスト・公認心理師の久野梨沙(@RisaHisano)です。

今日のテーマは、過去のラジオでも何度か取り上げてきた「ファッションとお金」についてです。

ファッションとお金に関する悩みを分析すると、実は、その人の「価値観」が浮き彫りになってきます。

今日は、自分の行動に矛盾を感じて葛藤しているという質問者さんのお悩みを、深掘り分析していきますよ~!

久野さんこんにちは。
ミモザといいます。久野さんにファッションとお金について質問をさせてください。
私はファッションが大好きで、仕立てや質の良さに惹かれてジャーナルスタンダードレサージュや、6ロクす。パンツは2万円、ジャケットは4万円ぐらいの価格帯です。
私は地方在住の31歳、普通の会社員です。投資や貯金もしたいので、頻繁に購入するのは難しいので、メルカリを活用して、タグ付き未使用のものや、着用回数が少なそうなものを選んで買っています。
メルカリ様様で、定価よりもはるかに価格が抑えられるので持っていないアイテムや色に挑戦したり、かなりお世話になっているのですがたまに虚しさを感じるのです。
それは
・ケチっている自分に対しての侘しさ
・店頭に並んでる新品の洋服との出会いのチャンスを逃しているような、勿体無さ
などがあります。
かといって、低価格のこだわりのない買い物は自分の中の選択肢にないのです。
書いてて気づいたのですが、結構、我儘なんです。
このふわふわもやっとした葛藤を分析解説いただけますと嬉しいです。よろしくお願いします。

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お金・時間…有限なものに対する考え方には「価値観」が如実に表れる

これは一見「ファッションとお金」のお悩みのように見えますが、実は掘り下げていくと、その人の持つ「価値観」が根本的なテーマになってきます。

お金や時間は、典型的な「限られているもの」ですよね。時間も有限、お金も有限です。
有限かつ大切なものに対する考え方には、人の価値観が如実かつ露骨に表れます。

質問者さんはご自分の気持ちを「ふわふわモヤッとした葛藤」と表現していますよね。このメッセージからは、自分の考えと行動に矛盾を感じていることが伝わってきます。
ですが、実はこれ、全く矛盾していないということをまずはお伝えしたいと思います。

質問者のミモザさんは、考え方が一貫していて筋が通っている方なんです。矛盾はしていない。
ただ、一貫した考えに沿って行動していくと、結果的に自分の行動に矛盾を感じてしまう、というのはよく起こり得ることではあるんです。

どういうことなのか、もう少し掘り下げていきますね。

あらゆるマイナスに気づく才能とは

質問者さんの性格を紐解いていくと、

・リスクヘッジが得意なタイプ
・自分にとってマイナスなものに気づける才能がある

このようなパーソナリティの持ち主であると分析できます。

つまり、質問者さんは、リスクを避けることが得意なタイプ。
これは、自分にとってマイナスなもの、自分に損害を与えるものに対し、敏感にアンテナが立つということなんですね。

この観点から言うと、人は「マイナスを埋めたい」と思う人と「プラスを伸ばしたい」というタイプに大きく分かれます。

マイナスを埋めたいと考える人は、例えば、歩いていて道の穴ぼこを見つけると、そこを埋めたいと思います。
逆に、穴には気がつかずはまってしまうけれども、道端の花にはすぐ気づける、という人もいます。

ここで大事なのは、この二つのタイプは単なる性格の違いでしかないので、どちらが良い・悪い、ということではないということです。どちらもメリット・デメリットがあります。

質問者さんはおそらく、マイナスを埋めたくなる人です。
ですから、ファッションに関しても「仕立ての良さに惹かれて買う」というより「仕立ての悪いものは買えない」という表現の方が、よりしっくりくるのではないでしょうか。

ミモザさんは、仕立ての悪さというマイナス面に気がついてしまう。でもメルカリなら、仕立てが良いと見知っているものを安心して買える、という心理が働いているのではないかなと思っています。

貯金や投資に関してもそうです。これも将来のお金の不安を減らしたいというリスクヘッジですよね。

質問者さんは、将来のために貯金や投資をしながらも、質の良さにこだわりメルカリを利用している。
さらに、メルカリでも、未使用品やタグ付きを選んで買っている。

ここに、リスクをできるだけ回避したいというミモザさんの性格が、よく表れていると思います。

マイナスはゼロにはできない。
だから最善の選択をしているのだと思う

質問者さんは、さまざまなマイナス面を敏感に察知する才能を持っています。
ここで注意しなければいけないのは、自分でコントロールしようと思わない限り、この才能はあらゆることに適用されてしまうということ。
つまり、今自分が取っている行動のマイナス部分にも、気がついてしまうということです。

質問者さんは、貯金や投資ができないというリスクを回避している一方で、それによって起こるマイナスにも気がついてしまったわけです。

ここで言うマイナスとは、店頭に並んでる新品の洋服とは出会えないことや、常に最新のものを着られるわけではないということ。
それから、我慢しなければいけないという侘しさやつらさもありますよね。

ですが、全てにおいて、マイナスや欠点が無いなんてことは基本的にはあり得ません。
人間は、何かの考えを起こしたり行動したりするときには、マイナス面とプラス面を総合的に考えて、自分が一番納得できる行動を選択するものです。

つまり、

「私の行動にリスクがあることは理解している。けれども、リスクはゼロにはできない。だから、最もリスクが少ない方法を自ら選択している」

という価値観のもとに行動していると気づけば、自分の考えと行動が矛盾していないとわかるはずです。
自分の中に矛盾を感じ、葛藤している状態は苦しいですが、そこに矛盾がないとわかれば、気持ちがスッキリするのではないでしょうか。

将来のお金の不安という大きなリスクを避けるために、小さなマイナスを承知でメルカリを利用しているんだということに気がつくと、きっと気持ちが落ち着くはず。
それは、さまざまなマイナス面を加味したうえで、一番リスクが少ない行動を選択できるという質問者さんの才能なのです。

今直面しているリスクやマイナス面は、避けられずに出会ってしまったものでも、避けたくても避けられなかったものでもない。もっと大きなリスクやマイナスを避けた結果なのだ」

と思えたら、心持ちが全く変わってくると思います。

そしてそれができたら、きっと自分の自信につながりますよ。

「考え癖」を理解すると自分がより見えてくる

仮に、質問者さんに宝くじが当たって、将来的なお金の心配が全くなくなったとしましょう。常に店頭に並んでいる、最新の品質の良いものをジャブジャブ買えるようになったとします。
そうなったとしても、きっと質問者さんはまた別のマイナスを見つける方だと思うんです。

つまり、自分の行動には考え癖が大きく影響しているんですね。
ですが、それは単なる癖であって、それ自体が悪いではない。考え癖に助けられている部分もあるんです。
良い・悪いではなく、ニュートラルに捉えると、だいぶ気持ちが変わってくるのではと思います。

自分の考え癖を理解したうえで、もし、癖を直したい、もしくは、もっと自分を分析したいと思う場合は、自分と違う考えの人とお話しするのがおすすめです。

私が主宰するオンラインサロン「服装心理lab.」は、誰にも否定されることなく、ファッションにまつわる深い価値観の話ができる環境です。
もうちょっと自分を深く掘り下げたいという方は、ぜひそういった環境を活用してみてはいかがでしょうか。

まだまだ皆さんからのご質問をお待ちしております!以下のマシュマロからお送りくださいね〜

それでは、また次回お会いしましょう!

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